2024310
伊方原発をとめる大分裁判の会原告団

3月7日、大分地裁(武智舞子裁判長、森朋美裁判官、山西健太裁判官)は私たち原告団の切実な訴えに対して、まともに受け止めることができず、許しがたい不当判決を下しました。弁護団とともにこの不当判決に怒りをこめて強く抗議します。

大分県下に暮らす569名の原告は7年間にわたって大分地裁で粘り強く訴え続けてきました。裁判長は次々に交代し、病で倒れた府内裁判長の後任の武智裁判長に判決が託されました。

伊方原発で福島第一原発のような過酷事故が起これば、私たちの生活基盤は根底から奪われ命さえも失うことが予想されます。「万が一」にもそのような事態を引き起こすことは許されません。このことの認識、現実を直視する態度、想像力が3人の裁判官に著しく欠けていたと言わざるをえません。

福島では「緊急事態宣言」が発令されたままであり、把握された数字で2万人以上の人々が避難生活を続けています。3つある原子炉に溶け落ちた核燃料デブリは880㌧もあるのに、1グラムの取り出しもできていません。

そして法定基準の20倍である20㍉シーベルトの汚染の地域に“帰還政策”が策定されていますが、人々の古里への帰還は遅々として進んでいません。そのような環境下、甲状腺がん患者も増え続けていますが、“復興の妨げになる”と言われて声をあげることすら困難な状態と聞きます。私たちは佐藤和良いわき市議(いのちのわプレイベント:1月21日講演会)で詳しく福島の現状を知ることができました。

元日に能登半島でマグニチュード7.6という、2016年の大分熊本地震を上回る巨大地震が発生し、人々は悲惨な状態に陥っています。

地震、津波 これらは予知できない このことを私たちはまたまた厳しく思い知らされました。火山噴火も予知できません。震源地である珠洲市にはかつて原子力発電所が計画されていましたが、住民の反対運動があり2003年に計画は頓挫しています。これが稼働していたらフクシマを上回る事態となったことが想像されます。珠洲市の沖合の海底断層が150㌔にわたって連動して動いた事が指摘されています。“沿岸の海底にある活断層”というのは、伊方原発のすぐ側を走る日本最大の中央構造線断層帯がそれに類似しています。そして、活断層の存在は言われていたが、海底にあるのできちんと調査されていなかった。伊方がまさにそれでしょう。

 私たちの安心安全を担保するには、四国電力は最大限の努力をしなければなりません。武智舞子裁判長らは、そういう“住民目線”で私たちの訴えを受け止めた形跡は全くと言っていいほどにありませんでした。ただただ四国電力の言い分を鵜呑みにして判決文を書き上げたのです。司法の役割・課せられた役割を放棄した、と言えるでしょう。

 今後は、弁護団と相談しながら福岡高裁控訴審にのぞむことになります。引き続き皆様方のご理解、ご協力をよろしくお願いします。