2021年度活動計画
【現在の原発をめぐる情勢】
 2011年の福島第一原発事故から丸10年が経ちました。
 東北各県では震災からの復興が進み、人々の暮らしも新たに築かれつつありますが、放射能汚染に見舞われた福島では帰還困難地域もまだ多く残り、解除された地域も放射線量は高く、人々が地域や暮らしを取り戻すまでには至っていません。福島県の原子力緊急事態宣言は出されたままです。
 事故を起こした福島第一原発の後始末は全く目途も立たず、漁業者の反対の声も無視して汚染水を2年後から海に放出すると政府は決めました。膨大な量の汚染土を入れたフレコンバッグは中間貯蔵施設に運び込まれていますが、その先の搬出先は無いままです。子どもの甲状腺ガンをはじめとする健康被害も増えています。10年を経て、原発事故の深刻さがさらに明らかになってきています。
 しかし、10年目の”3.11”前後はメディアも大きく報道しましたが、その後は福島の問題はもう終わったかのように、「復興五輪」「コロナ禍」へと報道も人々の意識も流れている現状です。
 政府や電力会社は、またもや原発をCO2削減の切り札として、重要なベースロード電源と位置づけ、さらなる原発の再稼動をはかろうとしています。設置後40年を超える原発の20年延長を規制委員会は認め、老朽原発も動き出そうとしています。
 全国で多くの原発運転差し止め裁判が行われていますが、差し止め判決が出て喜んでいると、逆転判決でがっかりさせられます。伊方原発裁判では昨年1月、広島高裁が2度目の差し止め仮処分決定を出し、伊方原発は運転できない状態でしたが、今年の3月には異議審決定で真逆の差し止め決定取り消し、運転を認める決定が出て、稼働してもよい状況になってしまいました。四国電力は今年10月に再稼働を行うとしています。
 大分地裁での私たちの裁判も提訴より丸5年を迎えようとしており、いよいよ大詰めの段階に入りつつあります。原発裁判で納得のいく判決は少ない状況ですが、裁判所の判決も揺れています。揺らしているのは、事故の現実と被害の実態、そして全国で脱原発の声を上げ続ける「私たち」です。そんな自負を持って、「伊方原発をとめる大分裁判」に取り組んでいきましょう。
1 大分地裁の私たちの差し止め裁判にしっかり取り組みます
① 傍聴席を毎回、満席にします
  傍聴席を満席にすることが、大分県民の大きな声として裁判官に伝わります。私たちが真摯な気持ちで差し止め裁判を行っていることを傍聴席から投げかけましょう
② 原告意見陳述、弁護団意見陳述を行い、傍聴者に分かりやすい法廷にします
③ 口頭弁論後は報告集会を行い、質問や意見、交流ができるようにします
④ 原告、応援団の交流機会を増やし、会員相互に裁判遂行の持続力を高めます
⑤ 応援団会員募集を行います(応援団会員は県内、県外を問わない)
2 財政基盤を固めます
① 応援団会員の拡大に取り組みます(昨年に引き続き、会員ひとり1名の呼びかけをお願いする)
② 応援団会員の会費納入率を向上させるため、納入願いや再納入願いを出します
③ カンパの募集を行います。カンパをしていただいた方々には適宜ニュースなどを送り、カンパや支持者を増やす努力をします。裁判遂行上、特別な支出が必要になった場合には、事情を説明した上で、特別カンパの取り組みをします
④ 物販カンパの取り組みを行います
3 情宣活動に努めます
① 集会、講演会、映画上映会、街頭活動など
  コロナ禍の中、実施しにくい状況がまだしばらくは続きそうですが、小規模でも取り組める企画を考え実施していきます。会員を講師とした講演会、原発についての本や資料の情報交換会、映画上映会(「地球で一番安全な場所を探して」)、地域交流会など
② 裁判ニュースの発行
③ インターネットの活用(ホームページ、ニュース・お知らせのネット配信、リモートの活用)
④ 「311いのちのわ」集会に参加
4 他県の訴訟団との交流、情報交換を行います
10月12日に予定されている伊方原発再稼働の阻止、抗議の活動を行います。現地行動にも可能な限り参加します
5 大分県の原子力防災計画の改定を目指して活動します