2024年3月7日
伊方原発をとめる大分裁判の会弁護団
本日、大分地裁は、伊方原発3号機の運転差止めを求める我々の願いを棄却する不当判決を言渡した。
本件訴訟において我々は、争点の絞り込みと平易化を行い、特に四国電力が伊予灘沖において三次元地下構造調査を実施していないことを最大の問題であるとして、裁判所の厳正な判断を求めてきたが、本日の判決は、この問題が福島原発事故を受けて原発の安全性を判断するうえで最大の争点であることを理解しようとせず、新規制基準の解釈においても、伊方原発の敷地周辺における三次元地下構造調査の必要性に関しても、四国電力の主張を鵜呑みにしたものであり、司法に課せられた使命を放棄したものである。
また、火山争点については、相対的安全性で足り、火山学の一般的見解に基づけば、運用期間中における巨大噴火の可能性が社会通念上容認できる水準以下であるなどという判断を行い、原告らの主張を排斥したが、巨大噴火のみならず火山事象が現在の火山学においても予想しうるものではないとの保守的な見解を無視するものであって、到底容認することができない。
そもそも我々は、裁判所に対し、新規制基準を絶対視することなく、保守的な安全性判断を行うべきであり、社会通念などという不明確な枠組みに依拠するべきではないと強く主張していたにもかかわらず、裁判所は、新規制基準を絶対視した上で、火山の論点に関して社会通念を理由に我々の主張を排斥した。
本年の能登半島地震は、改めて地震をはじめとする自然災害の発生時期や規模を予測することの困難性を明らかにした。本日の判決は、こうした貴重な教訓に背を向けるものであり、断じて容認することはできない。
我々は、直ちに控訴して、この不当な判決を粉砕していくこととする。